ジムの疑問ノート

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筋肉痛の日にも筋トレしていい?

公開日 2026-10-15/最終更新 2026-10-15/執筆・編集 ちくお(ジムに戻った会社員)

階段を降りるだけで、太ももが悲鳴を上げる。久しぶりにジムへ行った、翌々日のあるあるです。そして発生するのが、「今日も行っていいのか、休むべきか」問題。

階段の下の段に置かれたスニーカーと、手すりにかけられたタオルのイラスト
先に結論

強い筋肉痛が出た後の1〜2日は、強度や時間を減らすか、痛みの少ない部位を鍛えるのがおすすめ、と総説は述べています。久しぶりの運動は筋肉痛が出やすいので、少しずつ慣らすのがコツです。

筋トレの翌日や翌々日に出る筋肉痛。「痛いけど、行っていいの?」と迷う人は多いはずです。

で、実際のところどうなの?

  • 筋肉痛は、運動を休んだあとの再開や、初めての種類の運動で出やすいです。特に、筋肉が伸びながら力を出す動き(重りをゆっくり下ろす動きなど)で強く出ます。
  • 筋肉痛の間は、関節の動く範囲が狭くなったり、力が出にくくなったりします。そのまま無理をすると、別の怪我につながるおそれがあります。
  • 2003年の総説では、ストレッチ、冷やすこと、超音波などは、筋肉痛をやわらげる効果が確認されませんでした。ただし、冷水については、その後のレビューで、筋肉痛を軽くする可能性を示す結果が報告されています[2][3]。「冷やしても効かない」と決めつけないでください。同じ2003年の総説は、運動そのものが、痛みを一時的にやわらげる最も有効な手段だったが、その鎮痛の効果も一時的だ、と述べています。ただし、痛みが軽くなっても、力の出にくさや関節の動きの狭さが戻ったとは限りません。これは、痛みを我慢して強く鍛えることを勧める話ではありません。

じゃあ、今日からどうする?

ここから先は、研究の結論ではなく、研究を読んだうえでの私(運営者)の整理です。

  • 強い筋肉痛が出た後の1〜2日は、強度や時間を下げる、または痛みの少ない部位を鍛える。
  • 慣れない運動や、重りをゆっくり下ろす動きは、1〜2週間かけて少しずつ取り入れる、というのが、総説の挙げる目安です。すべての人に当てはまる期間でも、安全を保証する期間でもありません。体の反応を見ながら、増やす速さを調整してください。
  • 久しぶりの再開では、初日から追い込みすぎないのが合っています。
こんなときは中止して、必要なら受診してください

関節の鋭い痛み、腫れ、強い脱力、普段と違う強い痛みが続くとき。筋肉痛との区別がつかないときも、無理をしないでください。痛み・怪我・持病・服薬がある方は、医師などの専門家に相談してください。この記事は診断や治療の助言ではありません。

根拠が気になる人へ:研究の中身
  • 2003年の総説(Cheungら):筋肉痛(遅発性筋肉痛、DOMS)は、休んだあとの再開や、初めての運動で出やすいとされています[1]。
  • 対処法では、ストレッチ、冷やすこと、超音波などに、筋肉痛をやわらげる効果が見られませんでした(2003年当時のまとめです)。冷水については、その後のレビューで、結果が異なります:2012年のCochraneレビュー(17件の小さな試験・366人、質は低い)は、何もしない場合と比べて、冷水で筋肉痛が軽くなる証拠があるとしています[2]。2022年のメタ分析(52件)も、高強度の運動の24時間後の筋肉痛の改善を報告しています[3]。毎日トレーニングする人には、強い筋肉痛の後の1〜2日は強度と時間を下げること、または痛みの少ない部位を鍛えることが勧められています[1]。
  • 慣れない運動や、伸ばしながら力を出す動きは、1〜2週間ほどかけて少しずつ導入することが、体の機能の低下や、トレーニングの中断を減らすための目安として挙げられています(スポーツのシーズン開始時などを想定した記述です)[1]。

ちょっと注意(この記事の限界)

  • 筋肉痛の対処法についての主な出典は、2003年の総説です。冷水については、その後のレビューを加えましたが、ストレッチや超音波などの、ほかの方法については、新しい研究を確認していません。
  • 筋肉痛の程度には、個人差があります。
  • この記事は、論文の要旨(概要)を確認して書いています。本文の隅々までは読んでいません。数字は、要旨に書かれていたものだけを使っています。

参考文献

  1. Cheung K, Hume P, Maxwell L. Delayed onset muscle soreness: treatment strategies and performance factors. Sports Med. 2003. DOI: 10.2165/00007256-200333020-00005. PubMed
  2. Bleakley C, et al. Cold-water immersion (cryotherapy) for preventing and treating muscle soreness after exercise. Cochrane Database Syst Rev. 2012. DOI: 10.1002/14651858.CD008262.pub2. PubMed
  3. Moore E, et al. Impact of Cold-Water Immersion Compared with Passive Recovery Following a Single Bout of Strenuous Exercise on Athletic Performance in Physically Active Participants: A Systematic Review with Meta-analysis and Meta-regression. Sports Med. 2022. DOI: 10.1007/s40279-022-01644-9. PubMed