忙しい週の筋トレは、どこまで減らしていい?
残業で行けない。子どもが熱を出した。なんとなく気が乗らない。ジムに行けない週は、どうしてもあります。そんな週に「今週はゼロだった」と落ち込むのは、もったいないかもしれません。
先に結論
通常より量を減らした筋トレでも、筋力や体の動きが良くなることがある、とする総説があります。ただし、筋肉を最大限に大きくしたいなら、量が多いほうが有利です。「少しでもやれば意味がある場合がある」という点は、研究の方向と合います。ただし、これは「どんな状況でも、必ずやったほうがいい」という意味ではありません。体調に問題がなく、無理なく取り組めるときの考え方です。痛み、体調不良、強い疲れがあるときは、休むことも選べます。
仕事が忙しい週や、体調がいまひとつの日。「今日は時間がないから、やらなくていいか」と思うことは、誰にでもあります。研究者も、少ない量の筋トレに注目しています。
で、実際のところどうなの?
- 2022年のナラティブレビュー(専門家がまとめた総説)は、通常のガイドラインより1回の量が少ない筋トレを「最小限の量」と呼び、次の2つのアプローチを、筋力や体の機能を良くしうる例として挙げています。どちらが合うかは、目的や経験、使える時間や器具によって変わります。全員に勧める処方ではありません。
- 重めの重量で、回数を少なく、頻度も低めにする
- 軽めの重さで、頻度を高く、器具はほとんど使わない(小分けの筋トレ。「エクササイズ・スナック」)
- 筋トレが続かない理由には、時間が足りない、きつい、通える施設が少ない、があります。少ない量の方法は、この壁を下げられるかもしれません。
じゃあ、今日からどうする?
ここから先は、研究の結論ではなく、研究を読んだうえでの私(運営者)の整理です。
- 筋肉を大きくする効果を最大にしたいなら、セット数が多いほうが有利です。少なくても意味はあるが、最大にはならない、という整理になります。
- この総説は、専門家がまとめた「ナラティブレビュー」で、体系的な統合研究ではありません。具体的に「何セットなら十分」とまでは言い切れません。
- 頻度の考え方は、週に何回行けばいいかの記事も参考にしてください。
根拠が気になる人へ:研究の中身
ちょっと注意(この記事の限界)
- 総説の結論の一部は、研究の数が限られています。
- 少ない量の効果は、人によって、目的によって変わります。
- この記事は、論文の要旨(概要)を確認して書いています。本文の隅々までは読んでいません。数字は、要旨に書かれていたものだけを使っています。
参考文献
- Fyfe JJ, Hamilton DL, Daly RM. Minimal-Dose Resistance Training for Improving Muscle Mass, Strength, and Function: A Narrative Review of Current Evidence and Practical Considerations. Sports Med. 2022. DOI: 10.1007/s40279-021-01605-8. PubMed
- Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW. Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis. J Sports Sci. 2017. DOI: 10.1080/02640414.2016.1210197. PubMed