プロテインは筋トレ後30分以内に飲まないと意味がない?
トレーニングが終わったら、すぐにシェイカーを振る。そんな光景を思い浮かべる人も多いはずです。「30分以内に飲まないと意味がない」という話、どこまで本当なのでしょうか。
先に結論
トレーニング経験のある男性21人を10週間比べた実験では、同じ量のたんぱく質を運動の直前に飲んでも、直後に飲んでも、測定した項目(筋力、筋肉の大きさ、体組成)に差は確認されませんでした。ただし、1件の小さな実験で、あらゆる人に同じことが言えるとは限りません。学会の見解も、1日の合計の量を満たすことを、まず優先するよう述べています。
「筋トレ後30分以内にプロテインを飲まないと、意味がない」と聞いたことはありませんか。これは「ゴールデンタイム」「アナボリックウィンドウ」と呼ばれる考え方です。研究では、そこまで厳しく考えなくていいようです。
で、実際のところどうなの?
- 21人の男性の実験(10週間):同じ量(たんぱく質25g)を、運動の直前か直後のどちらかに飲んでもらいました。筋力、筋肉の大きさ、体組成のどれも、差は確認されませんでした。研究者は、たんぱく質をとれる時間の幅は、運動前の食事をいつとったかにもよるが、数時間以上あるかもしれない、と述べています。
- 国際スポーツ栄養学会の見解は、1日の合計のたんぱく質を満たすことを、第一に挙げています。1回あたりは20〜40g(体重1kgあたり0.25〜0.40g)を、3〜4時間おきにとるのが、筋肉をつくる面で望ましいとしています。
じゃあ、今日からどうする?
ここから先は、研究の結論ではなく、研究を読んだうえでの私(運営者)の整理です。
- 「30分以内」に、強くこだわる必要はありません。
- 運動後2時間以内くらいに、食事やたんぱく質をとるのは、見解に沿っています。ただし、2時間は厳密な締め切りではありません。見解は、運動前にとった食事の量やタイミングによって、運動後にたんぱく質が必要になる度合いが変わる、とも述べています。たとえば、運動の少し前に食事をとっていれば、運動後に急ぐ必要は、もっと小さくなるかもしれません。
- まず、1日の合計が足りているかを確認するのが、優先順位としては上です。合計の考え方は、プロテインは必要かの記事にまとめています。
根拠が気になる人へ:研究の中身
- 2017年の実験(Schoenfeldら):トレーニング経験のある男性21人に、同じ量(たんぱく質25g)を、運動の直前か直後にとってもらい、10週間比べました。測定したどの項目(筋力、筋肥大、体組成)も、統計的に差は確認されませんでした[1]。要旨によると、研究者は、運動後にたんぱく質をとれる時間の幅は、数時間以上あるかもしれないが、それは運動前の食事をいつとったかにもよる、と述べています。
- 国際スポーツ栄養学会(ISSN)の見解(2017年):1日の総たんぱく質摂取量を満たすことを第一の重点として挙げ、1回あたり20〜40g(体重1kgあたり0.25〜0.40g)を3〜4時間おきにとることが望ましいとしています。運動後(直後〜2時間)の良質なたんぱく質は、筋たんぱく質合成を強く高めるとされています。一方で、運動前の食事の量やタイミングが、運動後のたんぱく質がどれだけ必要かに影響しうる、とも書かれています[2]。
ちょっと注意(この記事の限界)
- 実験は、人数が少なく(21人)、対象は経験のある男性です。
- ISSNの見解は、専門家が整理したもので、1つの実験の結果ではありません。
- この記事は、論文の要旨(概要)を確認して書いています。本文の隅々までは読んでいません。数字は、要旨に書かれていたものだけを使っています。
参考文献
- Schoenfeld BJ, et al. Pre- versus post-exercise protein intake has similar effects on muscular adaptations. PeerJ. 2017. DOI: 10.7717/peerj.2825. PubMed
- Kerksick CM, et al. International society of sports nutrition position stand: nutrient timing. J Int Soc Sports Nutr. 2017. DOI: 10.1186/s12970-017-0189-4. PubMed