ジムの疑問ノート

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プロテインは必要?1日のたんぱく質の目安と、選ぶ前に考えること

公開日 2026-10-08/最終更新 2026-10-08/執筆・編集 ちくお(ジムに戻った会社員)

ジムに通い始めると、なぜか「プロテインは飲んでる?」と聞かれがちです。飲んでいないと、置いていかれた気分になる。そんな人に向けた話です。

先に結論

プロテインの粉末は必須ではありません。食事で十分にとれているなら、粉末は要らない、というのが私(運営者)の整理です。学会の見解も、食事だけで必要量をとることは可能としています。足りないときの補う手段として使うものです。

ドラッグストアやネットで、たくさん売られているプロテイン。「筋トレするなら飲まないとダメ?」と迷う人は多いはずです。

で、実際のところどうなの?

  • 筋トレをしている健康な成人を対象にした、49件の研究のまとめ(メタ分析)では、たんぱく質を補った群のほうが、そうでない群より、平均的に、筋力や筋肉などの量(除脂肪量)の増え方が、やや大きいという結果でした。数字では、1回だけ持ち上げられる最大の重さが平均2.49kg、除脂肪量が平均0.30kg、補った群のほうが多く増えました。粉末を飲むだけで効果が上がる、という意味ではなく、トレーニングを続けたうえでの、平均の差です。
  • 同じ分析のメタ回帰(条件別の傾向を調べる分析)では、食事と補給をあわせた1日の合計が、体重1kgあたり約1.6gを超えると、平均的には、それ以上の追加の効果は大きくなりにくい傾向が示されました。約1.6gは、一人ひとりにとっての最適量や、はっきりした境界線ではありません。「これを超えたら効果がなくなる」という意味でもありません。
  • 国際スポーツ栄養学会(ISSN)は、健康で運動をしている人についての一般的な目安として、1日あたり体重1kgにつき1.4〜2.0gを挙げ、ほとんどの運動をする人には、この範囲で十分としています。全員が、必ずこの量をとるべきという意味ではありません。年齢、体格、目的、体調で、必要な量は変わります。また、食事だけで必要量をとることも可能で、粉末は「質と量を確保する実用的な方法」としています。

目安を体重に当てはめると(計算例)

個人の必要量を決める表ではありません。 上の「一般的な目安」(1.4〜2.0g/kg)を、体重に当てはめた場合の計算例です。

体重 計算例(1.4〜2.0g/kg を掛けた幅)
50kg 70〜100g
60kg 84〜120g
70kg 98〜140g
80kg 112〜160g

これは、学会の「一般的な目安」を体重に掛けただけの計算で、個別の食事指導ではありません。自分に合う量は、体調や目的によって変わります。

じゃあ、今日からどうする?

ここから先は、研究の結論ではなく、研究を読んだうえでの私(運営者)の整理です。

  • まず、今の食事で、どれくらいとれているかを見ます。足りていれば、粉末は要りません。
  • 足りないときに、食事に足す手段として、粉末は選択肢の1つです。
  • 商品の選び方(味、溶けやすさ、価格、成分表示)は、人によって基準が違います。この記事では、特定の商品は推奨しません。
注意

腎臓などの病気がある方、妊娠中・授乳中の方、持病や服薬がある方は、たんぱく質の量を増やす前に、医師に相談してください。

根拠が気になる人へ:研究の中身
  • 2018年のまとめ(Mortonら):49件の研究、1,863人を分析しました。プロテインを補うと、1RMの筋力が平均2.49kg(95%信頼区間 0.64〜4.33)、除脂肪量が平均0.30kg(0.09〜0.52)多く増えました。対象は、抵抗運動トレーニングを6週間以上行った健康な成人です。メタ回帰では、合計のたんぱく質摂取量が1日あたり体重1kgにつき1.62gを超えると、除脂肪量の増加は、それ以上は増えないという結果でした(ブレークポイント分析の結果で、平均的な傾向です。個人の最適量や境界値ではありません)。年齢が高いほど効果は小さく、トレーニング経験が長いほど効果は大きいとされています[1]。
  • 国際スポーツ栄養学会の見解(2017年):筋肉をつける・維持するには、健康で運動をしている人の一般的な目安として、1日あたり体重1kgにつき1.4〜2.0gのたんぱく質が、ほとんどの運動をする人に十分としています。食事だけで必要量をとることも可能で、補給は質と量を確保する実用的な方法とされています[2]。

ちょっと注意(この記事の限界)

  • 研究の対象は、健康な成人です。1.4〜2.0g/kg は、健康な運動をする人の一般的な目安で、個人の必要量ではありません。
  • 「+0.30kg」や「約1.6g/kg」は、研究全体の平均的な結果や傾向で、一人ひとりに当てはまる数字ではありません。個人差があります。
  • この記事は、論文の要旨(概要)を確認して書いています。本文の隅々までは読んでいません。数字は、要旨に書かれていたものだけを使っています。

参考文献

  1. Morton RW, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018. DOI: 10.1136/bjsports-2017-097608. PubMed
  2. Jäger R, et al. International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. J Int Soc Sports Nutr. 2017. DOI: 10.1186/s12970-017-0177-8. PubMed